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3秒

3秒

とても興味深い本を見つけた。

タイトルは、『3秒

3秒という一瞬を
絵で表現しようという試み。

3秒をマンガで表現しようとすると、
普通はストップウォッチのような数字が一緒に記載されていたりしますが
この本は、ちょっと違います。

本編67ページあり、1ページには正方形が9個キレイに並ぶ。
67 x 9 = 607 コマ。

光の速度は、真空時に29万9792.458km。
つまり、3秒という短い時間でも光であれば90万km進むことができるということ。
この本は、3秒という時間経過を光が進むことで表現している。

『光が進む』ということをどう表現しているかというと
反射しそうな物体に画面がズームインしていき、反射物で反射して違う方へまたズームインしていくという方法をとって進む。
つまり、視点が光そのものを表している。

反射する角度については、対象物にぶつかる角度で反射方向が決まるがそこはハッキリ言って無視。
また、反射物から角度を変えて反射するのだが、表現としては、反射物に映っているものにどんどんズームインするだけなので、画面が奥に奥に進むという構成になる。
画面の奥に突き進みながら、その周りで何が起きているかをキョロキョロ見ている感じになる。

3秒劇場の始まりは、暗闇から始まる。
だんだん明るくなり、奥からサッカースタジアムの客席の出入り口へ飛び出してくる。
そのまま、人に近づき、顔に近づいていき、瞳を反射物として突っ込んでいく。
瞳に映っていたのは、建物、部屋、部屋の電灯が反射物としてさらに奥へ。
これが延々と607コマ繰り返される。

大きな流れとしては、サッカーの八百長賭博が表現されているが、
文字通り光速で進んでいく場面転換にクラクラしてしまう。
セリフはないので、新聞や本のタイトルなどの文字列を拾って謎を推理して楽しむ。

絵のタッチは、松本大洋のような感じのフランスのBD(バンド・デシネ)。
鏡面を世界の境とするのは、よくある表現手法だと思いますが、
時間の経過を光で表現するのは面白い。
そんな変わった本なのです。

2017/04/24