日本では、「うさこちゃん」という名前で知られるミッフィーの絵本。
ディックブルーナさんが先日亡くなってしまいました。
ご冥福をお祈り申し上げます。
毎日自転車でアトリエに向かい、規則正しい生活で
長年ミッフィーを描いていた姿が印象的です。
とてもゆっくりのスピードで、
わずかに震えながら丁寧にひかれたライン。
魂が込められています。
よく見るとタオルのようなゴワゴワした感じのラインになってますよね。
そんな安心感を醸し出すミッフィーですが、
絵本にはダークな話も数多く、驚きます。
3冊セレクトしました。
うさこちゃんの教室に転校生がくると先生から報告。
うさこちゃんたち生徒が、一様に並んでいる姿がまず、いきなり恐怖を感じます。
同じ姿が並び、うさこちゃんがどの子か分かりません。
やってきた転校生。
片耳が折れ曲がっている子でした。
いきなり、「たれみみくん」というあだ名を付けられてしまいます。(本名:だーん)
好きじゃないけど、容姿のことを言われるのはいつものこと。
たまたま家が近くだったうさこちゃんが、改善しようと奮起します!
という、いじめの話ですね。
おばあちゃんが出てくると思いきや
うさこちゃんのおばあちゃんはいきなり亡くなっています。
いい表現が随所に出てくるところが魅力的。
・おじいちゃんが泣いてるのをはじめてみた
・うつくしい かんおけ
・おばちゃんが大事にしていた庭のようにお墓もそうしたい
と、生死の話です。
物語の中では、土葬していて、お墓のある場所も森の中。
日本だったらお骨を拾うシーンが必ず出てくるのだろうなぁ。
日本とはちょっと違う感覚も感じられる。
一番の問題作。
ちいさなうさこちゃんは、お店のキャラメルが欲しくて
万引きしてしまう。
ものごとが分かっていないぐらいの子が、
手に握ったまま店の外に持ってくるのはよくあることだろうけど
とってきたことで夜も眠れない罪の意識に襲われるという話になっている。
ほんわかしてるだけではなく
道徳観も育まれる。。かもしれないミッフィーはなかなか興味深い本です。